【小学生と読書】vol.3_いのちをいただく
夏休みの読書感想文。
普段は小説好きの我が子ですが、感想文を書くとなると
「ノンフィクションのほうが書きやすい」といいます。
小説は、自分の好きに読みたいんだって!
うん。なんかそれわかるかも😊
(小説=趣味、感想文=仕事、みたいな感じなのかな)
短い文にぎゅっと詰まった「食」の現実
じつはこの本、母娘で読んだことがありました。
『いのちをいただく』
文/内田美智子
絵/諸江和美
監修/佐藤剛史
あれは、、娘がまだ保育園児だったころ
この本を読んだ流れだったかな?
トップバッターは、食肉加工センターで働く坂本さんのお話。
殺される牛と目が合うたび、仕事がいやになる
けれど「もう少し、仕事を続けようかな」と思うこともあって
ある日、坂本さんは見たくないものを見てしまいます。
牛を殺すのは誰だっていやだ
でも心ない人に殺されると牛も苦しんで死ぬことになる
「ラクに死ねるように、、」
訥々と語られる九州訛りの文章が
実直に、ありのままの現実を物語ります
大人も、目頭が熱くなる
でもこれが現実。私たちがいただいている命
泣くのは違う。そう思いながらも
溢れてくる涙。どうしよう、、
小学生ならではの正義感ってあると思う
我が子も一度は読んだことのある本でしたが、
小学校高学年になって改めて読むと
パラパラと文字を追うだけでなく
その行間をじっくりと味わうように
主人公の気持ち、それから登場人物それぞれの気持ち
そこに浮かぶ上がる疑問や課題etc,..
さまざまなものを感じていたようでした。
読後、顔を上げて「はぁーーーーー」と。ため息
わかる。そうなるよね💦
人って、食べなきゃ生きていけない
何気なくいただいているお肉
スーパーのパックじゃ彼らの「命」を忘れてしまいそうになる
そういえば私も、小学生のころ
鶏の屠殺場の話を聞いて
「わたし一生、お肉は食べない」って、泣いて
家族を困らせたことがあったっけ
その時、父に言われたんです
「かわいそうっていう言葉は好きじゃない」と。
かわいそうって、
じゃあ魚ならいいの? 野菜も生きてるよね?
人は何か食べないと生きていけない
だったら有り難くいただくのが礼儀じゃないかな
その分、自分の命を大事に生きなきゃいけない
、、みたいなこと。
それでも3日くらいは抵抗して、お肉を見れなくて
ほかの命を喰らって生きる「人間」であることが嫌になったし
それは同じく、太平洋戦争における日本人の行いや
水俣病などの公害問題にも「なんで」「嫌だ」と強く嫌悪があって
小学生ならではの正義感?
この時期に、こういうノンフィクションを読んでおくということが
アイデンティティーを揺さぶられておくということが
必要なんじゃないかと思った。
「生きる」ことに、折り合いをつける
そんな、「動植物の命を奪ってまで生きる人間」について
悩んでしまう子もいるんじゃないかな?
そんなときは、2話以降の
養鶏所の八尋さんの話も、漁師の村松さんの話もおすすめ
ニワトリへの愛、魚への愛
だからこそ自分の手で最後を見届けてあげたいという
そういう、折り合いのつけ方というか
私はすこし救われた気持ちになりました。
低学年のうちなら、本文だけでいい
高学年や、大人である保護者にはぜひ
巻末の「あとがき」も読んでみてほしいです。
jaiko